静岡/浜松向宿郵便局

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(確認前のデータ)
・市のシンボル「アクトタワー」と市の鳥「ツバメ」、市の花「萩」、市の木「松」を描く。
使用開始:1999(平成11)年10月1日

浜松市中区です。
風景印だけを見ていると案外気づきにくいのですが、浜松市のシンボル(市花、市木、市鳥)は2005年の大規模な市町村合併を経て2006年11月28日付で変更され、現在は「市花・ミカン、市木・松、市鳥・ウグイス」となっています。この局のように、旧浜松市の風景印に描かれているのはもれなく市花・萩、市木・松、市鳥・ツバメなのですが、これは実はもう古いわけです。ちなみに、このような例は全国で発生しており、旧自治体のシンボルがそのまま風景印に残っている例は、ざっと数えただけでも350〜400件近くにのぼります。

それはそうとして、本題です。
上記は使用開始時に郵趣ウィークリーに載った説明ですが、市販のカタログ(「風景印大百科」等)を見ると、松については「市の木『松』」ではなく「相生の松」という説明になっています。
「相生の松」とは何か。どこかに実在する名木の類でしょうか。気になるので質問してみました。


お返事です。
浜松向宿局「描かれているのは『相生の松』です。隣町(相生町)の由来となった松で、1本の松から雄松と雌松が出ている伝説の松です。その写真が手に入ったのでデザインに入れました。」

「相生の松」という説明は合っていたのですが、その伝説がどういったものなのか、いまいちはっきりしません。でも、何か原画のようなものがありそうです。
浜松市の図書館に質問してみたところ、松の説明が記載されている資料を教えていただきました。ありがとうございます。↓こちらです。

『輝くいなほ はたの音:わが町文化誌』浜松市立東部公民館 1988年

かつて旧浜松市内の公民館が地域の歴史などをまとめた書籍がデジタルアーカイブとして公開されているのですが、その中に「相生の松」の絵と説明がありました。15ページ目です。一部引用すると、

 この絵に描かれている相生の松は、今から四百年ほど前、東部公民館の前あたりに立っていて、馬込川を通る船の目標であり、船着き場でもあった。(中略)
 この相生の松は、明治三十年ごろまで、男松と女松とが相寄り添っていたという。


そして、一緒に掲載されているのが、平野素芸(ひらのそうん)作の「相生の松」の絵。平野素芸は地元出身の画家で、件の絵は相生小学校の校長室に掛けられているそうです。風景印の松のモデルはこれですよね。よく似ています。

(「輝くいなほ はたの音:わが町文化誌」浜松市立東部公民館 1988年 p.15)

この風景印のような「原画つきの風景印」は探してみると結構たくさんあって、見つけたらタグをつけるようにしているんですが、でも「原画がある」ということが説明文に書かれていないことも多くて、今回みたいに偶然見つかるとかなり嬉しいです。

お返事ありがとうございました。
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