奈良/斑鳩興留郵便局

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(確認前のデータ)
柿を外枠に、「斑鳩」の由来である“イカル”というムクドリと町の花サザンカを描く。
(郵趣ウィークリーより)
(使用開始:平成22年4月23日)

生駒郡斑鳩町です。法隆寺駅のすぐ近く。
可愛いデザインの変形印で、発表当時も話題になったように記憶していますが、気になるのは「イカルというムクドリ」です。これはおそらくテキストを書いた人が勘違いをしているのではと思いますが、一般的に「ムクドリ」はカテゴリ名ではなく種名です。「ムクドリ」というカテゴリの中に「イカル」が存在するわけではなく、「イカル」も「ムクドリ」も独立した別な種類の鳥なのですね。↓写真はこちら。

BIRD FAN (日本野鳥の会) | ムクドリ
BIRD FAN (日本野鳥の会) | イカル

それで結局、描かれている鳥は何なのでしょうか。まず明らかにイカルとは違います。イカルは全体的に明るい灰色で、顔や羽根に色の濃い部分がある、という感じなので、全体的に黒っぽく描かれている風景印の鳥とは違う。でも、じゃあムクドリなのかと聞かれると、…イカルよりは近いけど、一目で「ムクドリだ!」という感じでもないんですよね。
この鳥は何なのか、気になるので質問してみました。



お返事です。
斑鳩興留局「作成当時の者がおりませんので不明です」

この手紙を出したのは平成26年のことなのですが、上記の如くありがちな返事でうやむやにされてしまい、一旦この件は保留になりました(作成からたった4年かそこらで詳しい人がいなくなってしまうということに当時かなりショックを受けました)。
どうしようかと思いつつそのままにしていたのですが、暫く経ってある日また郵政のページを見たら、斑鳩興留の項目はこんな風に変わっていました。



ムクドリと町の花「サザンカ」をモチーフにしました。周りは、柿をイメージしています。

↑テキストから「イカル」が消え、単純にムクドリが描かれていることになっています。柿とムクドリは定番の組み合わせだし、最初からこのテキストならそこまですごい違和感はないのですが、でもこれ、テキスト修正しましたよね?いつの間に?
一般的に、一度発表された意匠の解説文が後になって訂正されるケースは少ない気がします(私は初めて見ました)。ていうか、そもそもこれ、ほんとに途中で訂正したのだろうか。私が見落としていただけで、もしかしたら郵政のページでは最初からこの内容だったのだろうか。ちょっと自信がなくなってきました(ページ保存しておけばよかった)。
でも、もし修正したのなら、その時に局と支社とでやりとりをしているはずで、それは記録に残っているのでは?と思い直し、もう一度「修正があったのかどうか、あったとしたらいつ頃のことだったのか」という観点で質問してみることにしました。

で、最近返ってきた2回目のお返事です。
斑鳩興留局「3〜4年くらい前に他のお客様から解説文の『イカルとムクドリ』についてご指摘いただき、変更いたしました」

あ、やはり修正されてたんですね。しかも、私以外にも指摘してくれた方がいたようです。嬉しい。
時間がかかってしまいましたけど、ちゃんと正解にたどり着けて良かったです。間違いが認識されなかったり無視されたりするケースも多い中で、きちんと指摘すれば直してくれる場合もあるんだなという、希望が感じられる一件でした。

お返事ありがとうございました。
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2 Comments

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ほたる

ほたる  

> 匿名さん

こんにちは。コメントありがとうございました。
イカルは当時140円切手の意匠になっていたので、その外見を知っている郵趣家が多かったんですよね。なので、風景印に対しても「イカル、なのか…?」的な懐疑的な反応が以前から散発的にあったと思います。なので、説明が直ったのは良かったなと私は思っています。
イカルが町の鳥になってたのは初めて知りました。2017年、最近ですね。
そもそも、現在の種名としてのイカルと、斑鳩のイカルは同じ鳥なんでしょうかね。いまいちよく分からないので、今度もう少し調べようかと思ってます。

2019/10/30 (Wed) 14:44 | EDIT | REPLY |   

匿名  

なるほど!勉強になりました。
可愛いデザインだし、町をイメージして一生懸命考えたその当時の社員さんのためにも受け入れてあげましょう。って私は思います。ちなみに、調べてみましたら、斑鳩町の町の鳥『イカル』が制定されているみたいです。長文失礼いたしました。

2019/10/29 (Tue) 10:52 | EDIT | REPLY |   

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