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兵庫/姫路郵便局


(確認前のデータ)
姫路市のシンボルである「姫路城」及び姫路市蝶であるジャコウアゲハをデザイン。(作:岩田健三郎)
(使用開始:平成27年3月27日)

姫路市です。姫路の風景印が変わってもう3年も経つんですね。
これ以前のデザインは、昭和23年1月1日からずっと使われてきたという歴史のあるものでしたが、姫路城の改修が終わって再び公開されたその初日に風景印も変更されることになりました。かなり個性的な、思い切った変更です。
デザインを担当した岩田さんは姫路在住の版画家で、市内の小学生が使うドリルの表紙絵を40年も担当している人だそうです。(そんなローカルな学校教材あるんですね。素敵)↓こちらが詳しかったです。2016年9月の記事。
姫路を代表する文化人・版画家岩田健三郎の地域愛 | 姫路が世界に誇る「人・もの・コト」 | まいぷれ[姫路市]

風景印の説明のうち「姫路城」と「ジャコウアゲハ」は分かるのですが、画面右側の謎の人物2人が気になります。これは誰だろうか。岩田さんの作品は人物ものが多いので、単なる作風の一部なのかもしれませんが、もし何か特別な設定があるなら知りたいなあと発表当時に思っていました。
で、以前姫路局に行った際に直接局員さんに聞いたこともあるのですが、案の定「特に誰ということではないんですよね〜」というふわっとした返事を返されてしまい。そのまま何となく私の中でもうやむやになっていたのでした。

再びこの問題について考えるきっかけをくれたのは松田青子さんの本でした。↓こちらです。


(東京 しるしのある風景/松田青子 2017)

この本とても興味深かったです。風景印初心者の作家さんが東京23区内の風景印を集めて回る、という東京新聞(web版)の連載をまとめた本なのですが、作家さんが郵趣慣れしていないぶん普通の人が感じる疑問などが普通に書かれていて面白かったです。局員さんによって押印のスキルに差があるとか、鳶色のインクのコンディションが良いと嬉しいとか、反対にインクが薄くてそれをカバーするためにぐりぐり押されるとがっかりするとか、どうして店頭に「風景印あります」って書いといてくれないんだろうとか、特殊切手(シールじゃないやつ)ってバラ売りしてくれるんだ!とか。我々は何度も経験して、半ば諦めたりスルーしてしまったりしているような暗黙の了解がちゃんと言語化してあり、それがこのジャンル自体が持っている基本的な問題点の可視化にもなっていました。
押印の合間にちょこちょこ挟まれる人間観察とか観光情報とかもサラッとしていて良かったです。何というか、小説家らしかった。これは我々おたく向けの解説本などには決して出せないテイストだなと思いました。風景印の本って多様性がないなと常々思っていたので(冊数に比べて著者が少ない。いつも同じ人が書いている)、別な角度から参入してくれてありがとうという気持ちで一杯です。本当にありがとう。

この本のメインは東京23区なんですが、巻末に3本ほど書き下ろしのおまけがついており、その中に問題の姫路編がありました。
姫路出身の松田さんが仕事の関係で久しぶりに地元を訪れ、姫路局で風景印をもらうことになった…という内容です。
やはり松田さんも姫路の風景印の人物ふたりには興味を持ったようで(ナイス!)、そこにはこんな考察が加えられていました。

この風景印は、姫路出身の版画家、岩田健三郎さんが図案者だそうだ。こういうパターンもあるんだな。
図案は、姫路城と、姫路市の蝶であるジャコウアゲハがデザインされている。子どもらしき人物たちが忍者っぽい頭巾をかぶっているようにも見えるが、姫路城にいた忍者をイメージしているのだろうか。


忍者…!
確かにそう言われてみると、服装とか忍者っぽいと言えなくもないかも。
これ忍者なのかな。忍者だったら面白いなあ。忍者の風景印って少ないんですよ、めちゃめちゃ使い道が広がるじゃないですか。どうにかして確認できないだろうか。
…と考えた結果、前回に引き続き「作者に直接質問する」という手段を取ることにしました。
岩田さんはご自身のページを持っていて、コンタクト用のアドレス等も公開されています。ならば思い切って聞いてみよう。
今年のお正月に外出した際、出先の風景印で手紙を出してみました。
それを、岩田さんがご自身のページで取り上げてくださいました。こちらです。↓

ヘラヘラつうしん(カレンダーから2018年1月10日をクリック)

今回はこれを貼っておしまいでいいでしょうか。
結論をまとめると「特に設定は無い」ということになると思うんですがw、でもどのようなモチベーションで作られたのかはきちんと語っていただけたし、やはり聞いてみて良かったです。

姫路の風景印を変えるに当たっては、新しいデザインが地元以外の人の目にはかなり斬新に映ったようで、収集家の中には戸惑う人や、「なぜ変える必要があるのか」と言う人もいたと記憶しています。でも単に遠方の収集家が知らなかっただけで、デザインを担当したのは長いこと地元で活動している方でしたし、3年経った今では特に不満を述べる人も見られなくなり、以前の意匠を知らずに押印してもらった人たちからは普通に好評意見が聞かれるようになりました。印影自体を見ても、風景印の基本はきっちり押さえているし、他所との差別化もできています。あとかわいいし。近年ありがちな、単なるゆるキャラや自社ビルの宣伝に使われたような風景印や、名物を脈絡なく並べただけの風景印との違いは歴然です(比較すること自体失礼ですが)。
風景印の面白さの一つは、地元の人以外には馴染みのないようなローカルな表現がしばしば当たり前のように出てくることだと思うんですが、地元の芸術家がデザインすること自体もローカルな表現の一つだし、それがちゃんと定着するのも良いことだと思います。
突然の妙な質問に答えてくださってありがとうございました。
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