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風景印大百科を読みました

遅くなりましたが、今年の春に出た「風景印大百科」を読みましたので気づいたことをまとめます。


書籍版とCD版(内容をそのままPDFにしたもの。容量500MB弱)が出たのですが、しかしこの本えらく高かったです。書籍が2冊で11000円、CDは12000円。ちょっと普通に買うのはためらわれる値段だったので、とりあえず書籍は図書館で読み、後になってCDを中古で買いました。売ってくれた人ありがとう。

この本は従来の風景スタンプ集とは少し収録内容が違っています。ポイントは「現行印だけでなく過去に使われた旧印すべて、また船内や外地、米国統治下の沖縄で使われた風景印なども収録されている」というところ。全部で約800ページ、印影の種類で言うと約16000個、とかなりのボリュームです。東日本編には北海道〜甲信越と船内以下のデータ、西日本編には北陸〜沖縄のデータを収録。各巻末に佐滝剛弘さんのコラムが各14〜15ページずつ。

「印影すべて」がセールスポイントでしたが、色々と前科がある本なので、個人的に掲載データの精度を可能な範囲で確認してみました。私は外地や船内は集めていないので、現行印につながる系統のみチェックしています。私が持っているデータ(「新版風景スタンプ集」「新・風景スタンプ集」「風景印2012」+5年前からの改廃データのみ把握)と比較した結果は以下の通りです。(西日本編の巻末で訂正されたものは除きます。また県名付加/削除など微細な変更は無視しています)

・局自体の掲載漏れ…2局
・意匠変更・修正の掲載漏れ…3点
・間違った印影(他局のものなど)が掲載されている…2点
・掲載位置の誤り(別な市町村の欄に混入)…9局〜
・局名の読みがなの誤り…約120局
・郵便番号の誤り…約250局
・局住所の誤り…約300〜400局
・意匠説明の誤り…カウント不能(とてもたくさん)

(読みがな、郵便番号、局住所などは今年春頃の日本郵便のサイト内データと比較しています)

本筋から少し外れた話なのですが、局名読み・郵便番号・住所といった基本データのミスが看過できないレベルで酷かったので、最初にその件に触れます。
この本に掲載された郵便局の住所データは、2012年頃に出版した前版の住所データを元に、JPの開局情報ページで告知があった移転情報を転記したもののように見受けられます。が、実はそれ以外にも局住所は区画整理などでちょくちょく変更されており、しかもそのような移転を伴わない変更はJPページでは告知されないため、大幅な見落としが生じているのではと推測されます(他にも理由があるかもしれません)。故に、町名や番地の変更が反映されていなかったり、近頃めっきり減った「字」表記が未だに残っていたり、ひどいものだと数年前の市町村合併すら反映されていなかったり、という例が数多くありました。他にも文字記号の全角・半角の混在とか、「栗」「粟」のような似た字の判別ミスも多く(おそらく遠い昔に書籍をスキャンしてデータを作った際のミスが未だに残っている)、かなり残念な状況です。郵頼等に利用される方は住所は参考にせず、その都度JPのページを見た方が良いでしょう。ていうか今どき郵便局の住所データなんてちょっとスクリプトを書けばJPのページからまとめて抜き出せると思うのですが、何故その程度の手間を惜しむのか。
局名の読みがなも旧版の誤りがまるっと引き継がれていました。ただしJPのページに掲載されているデータも年間数件ずつ訂正されており(わたくし調べ)、JPのデータが間違っている可能性もなくはないのですが、それでも10%ほど抜き出して局へ直接問い合わせた結果はいずれも書籍データが間違っていました。見るからにおかしな誤りも多かったです。


現行印のみならず旧印も要注意です。局名の漢字表記は変えずに読みがなだけが変わった局で、変更以前に使われていた旧印も現在の読みがな表記になっている例がありました。こういうの、もっと詳しい人に検証してほしいです。

画像について。発表当時から懸念していた通り、画像の解像度がとても低かった。PDFで使われている画像の多くは160dpi(1辺230px)程度のモノクロ画像でした。ギザギザはんぱない、何が描かれているか分からない。実印影があるなら今後のためにも再スキャンが必要だと思います。
2012年版で見られた意味不明な画像の合成も放置されていました。「パレスサイドビル内」の印影、これ日付合成してないですか?初日印がこんなに汚いとは思えないし(これが実物だとしても、もっと綺麗な印影を探して掲載するべきだし)、日付のフォントも違ってるし。何でこんなことになってるのか分かりませんが、きちんと正しい画像に差し替えて欲しいです。


続いて意匠データについて。意匠データの修正が中途半端で、読んでいてだいぶイライラしました。意匠は変えず局名のみが変わったケースで、描かれているものは同じはずなのに説明が異なる。


どうでもいい細かい説明を追加しすぎているのも問題です。「カモメ」「ヨット」「マツ」「サクラ」が多すぎる。このPDFに添付されていた説明書に「簡易検索できる」と宣伝が書いてありましたが、ゴミが多すぎて使い物になりません。というか、そもそもPDFごときで十分な検索を行うのは無理だと思います。次はきちんとしたデータベース形式で販売してほしいです。
あと私事ですが、このブログであれこれ書いてきた情報が無言で流用されていたのでムカつきました。下記の意匠は過去にこのブログで行った指摘(一部はこちらで読めます)を元に前版から修正されているのだと思われますが、特に私個人に連絡等はありません。「ネットに転がっているものはとりあえずパクる」という習慣がどうしても直らないようで残念です。(故にこの記事では具体的な指摘は最小限にしています)
解説に関しては、これらも含めて正しく修正されたのはごくわずかで、相変わらず無数の誤記が放置されており、引き続き注意して読む必要があります。5年待ってこれか、という徒労感が半端ないです。


結局、この本を買うべきかどうか、という話なのですが、私個人は「紙本は不要、CDを中古で譲ってもらえば十分」という結論に達しました。確かにデータの物量はとても多く、印影を見ているだけでも十分楽しめることは楽しめますが、それが正しい情報なのかどうか疑問がありすぎるし、編者の姿勢も信用できません。
とりあえず編集に携わった人には是非データを再チェックして、きちんと出版社のページで訂正を行ってほしいです(本来なら回収・交換が妥当なレベルですが、そこまでする体力はないと思うので)。幸い掲載漏れはそれほど多くない(ような気がする)ので、最低限の情報をフォローすることは可能でしょう。売った側としての責任をきちんと果たしてほしいです。よろしくお願いします。
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