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山形/米沢郵便局


(確認前のデータ)
・騎馬姿の上杉謙信公
・国史跡「上杉家御廟所」
・米沢織の糸枠

(使用開始:昭和54年7月23日)

米沢市の集配局です。上杉家がテーマの風景印で、描かれているのはいずれも有名なものばかりです。
この意匠は市販本2種とも上記の内容しか書かれてなくて、特に疑問にも思っていなかったのですが、ある時ふと昔の「風景入通信日付印集」を読んだらこんな風に書いてありました。


…ん?「古画の一部」? これ、どこかに原画があるの???
これまで特に考えてもみませんでしたが、確かにこんな感じの構図ってアマチュアのイラストとかでもよく目にするし、どこかに元ネタがあってもおかしくない気がします。
にしても「古画」とは何だろうか。絵のタッチを見る限り、昔の屏風絵とか錦絵とかいうよりはもっと洋画に近い印象ですが。誰がいつ頃描いた作品なんだろう。
この謙信像の原画は何なのか、すごく気になるので質問してみました。


お返事です。
「上層部署(注:おそらく東北支社のこと)に確認しましたが分かりませんでした。申し訳ありません。」

予想はしていましたが分からないそうです。残念。
この「支社に聞いたけど分かりません」っていうやりとりは過去にも散々経験したので言いますけど、こういう古い風景印の場合、基本的にこの手の話は支社に聞いても無駄です。支社は大したこと知らないですし、場合によっては以降のやり取りを邪魔されたりするのでタチが悪いです。こういう細かい情報は局自身がちゃんと責任持って管理してないとダメなんですよ。

このままでは終われないので、自力で探すことにしました。昨年本楯で神楽を見た帰りに米沢で途中下車して、まずはこちらに行きました。上杉博物館。


ちょうど上杉本洛中洛外図屏風の「複製ではなく原本の」展示期間でした。2016年の切手趣味週間です。思いがけず本物が見られて得した気分。GW中で多少混雑していたとはいえ都心の美術館に比べれば余裕で空いていたし、近くでゆっくり見られて良かったです。(毎年GW前後に原本展示しているそうです)


館内で展示や書籍をあれこれ見たのですが、残念ながら風景印の原画と思われるものは見つかりませんでした。ただ似た雰囲気の絵はいくつかあって、それらはいずれも「川中島の合戦における謙信像」として描かれていたので、風景印の絵もそれを描いているのでは?とは推測されました。でもあくまで推測です。
数百m離れたところに市立図書館があったので、続いて行ってみました。図書館、すごく新しくて綺麗だった。上杉博物館も随所に「お金かかってる」感が溢れてたし、なんか自治体レベルでの羽振りの良さみたいなものを感じました。


郷土資料室の男性職員さんに風景印を見てもらったところ、
「……(2秒)ああ、はい、はい」
2秒で何かに思い当たったようです。すごい!
すぐに本を1冊持ってきてくれました。「稽照殿(けいしょうでん)の宝物」というタイトル。
「稽照殿に展示されている絵だと思います。この本には絵は載ってないですが、この『川中島出陣図 千浦画』という作品です」

たった1行、絵のタイトルと作者が載っている部分を見つけてくれました。す、すごい!(2回目)
稽照殿は上杉神社に併設されている宝物殿です。さっきの上杉博物館のすぐ隣。ということで、すぐに戻って行ってみました。


件の絵は観覧ルートの最後に飾られていました。タイトルは「謙信公川中島出陣図 『鞭声粛々』」、作者は小圃千浦(おばたちうら:1885-1975)。
小圃千浦はアメリカで活躍した画家で、カリフォルニア大学バークレー校に勤務し、最終的には名誉教授になった人です。作品はカリフォルニアの自然に関するものが多く、ヨセミテやシエラネバダを描いたものなどが代表作。「鞭声粛々」は1903年(明治36年)、千浦が渡米直前に米沢に来た際に知人に残したもので、後年その知人より神社に奉納されたということです。
実物の画像を貼りたいのですが、館内は当然撮禁だし、稽照殿には図録とかパンフとかいう類のものが全然ありませんでした。残念。
でもその後、千浦の伝記本の口絵に小さな画像があったのを見つけたので貼っておきます。ちょっと解像度が低いですけど、実物はすごく綺麗で迫力のある絵でした。17歳の時の作品と知ってびっくり。


(下嶋哲朗 『サムライとカリフォルニア ー 異郷の日本画家小圃千浦』 2000年)

風景印ではこれに「毘」の軍旗(これも稽照殿に展示されてました)がプラスされているわけですが、でも確かに謙信像のモデルはこれですよ。嬉しい。
今回はまるっと郷土資料室の方が解決してくださったようなもので、ほんと図書館は地域の大事な財産だな〜と改めて思いました。ありがとうございました。
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