小型印・特印・絵入りハト印<風景印以外の絵入り消印>
前回の続きです。
風景印以外の絵入り消印は大きく分けて3種類あり、少しずつ仕様が異なります。それぞれ
・小型印
・特印
・絵入りハト印
という名前がついています。いずれもインクは風景印と同じ鳶色です。
■小型印
風景印よりひと回り小さい直径32mmの消印で、地域色の強いイベントなどの際に期間限定で使われます。正式名称は小型記念通信日付印(こがたきねんつうしんにっぷいん)です。

↓風景印との違いです。どちらも盛岡北局で同じ日に押印された消印で、同じ「チャグチャグ馬コ」を題材にしていますが、小型印は風景印より小さい上にイベント名が入っているところがポイントです。

*左)盛岡北局の風景印 右)盛岡北局で使われた「滝沢市誕生記念」小型印
小型印の使用期間は1日間〜数ヶ月程度と、イベントによって幅があります。まれに、風景印のごとく長期にわたって同じ場所に設置されるケースもあります(「宝塚レビュー出張所」「はこだてサンタ定期出張所」など)。
いつどこでどんな小型印が使われるかは日本郵便のページで調べてください。ほとんどは郵頼可能です。
・小型印 - 日本郵便
USJで2014年夏から行われている「ふくろう便」の小型印のように、現地差し出し以外不可のケースもあります。
こちらはUSJのハリーポッターエリアにある「ふくろうポスト」から手紙を出すとふくろうの小型印が押印される、というサービスです。この消印は担当である新大阪局へ直接頼んでも押印してもらえません。あくまでUSJ来園者向けのサービスです。

↓ちなみに、ディズニーランドやシーのポストから手紙を出すとパークのスタッフさんが余白にオリジナルのスタンプを押してくれるのですが、このスタンプは日本郵便とは無関係です。まとめサイトでよくこのスタンプを「風景印」として紹介していますが、風景印でもなければ小型印でもありません。そもそも消印ではありませんので混同しないよう注意してください。(ここまで読んで混同する方はさすがにいないと思いますが)
ディズニーから出した手紙には浦安局の消印(黒活)が押印されます。このカードは差し出しが11月6日(ダッフィーのスタンプに11.6の日付がついている)、消印は翌7日の午後でした。

■特印と絵入りハト印
どちらも直径36mmの消印で、特殊切手の発行の際に短期間(7日間または1日間)使われ、見た目はよく似ています。どちらが使われるかは発行される切手の種類によって決まります。

*左)2015年「ふみの日」の特印 右)2015年「夏のグリーティング」の絵入りハト印
特印…使用期間は発行日を含め7日間。主に記念切手(何らかの行事を記念して発行される切手。『○○周年』など)の発行と同時に使われる。国際文通週間、切手趣味週間、ふみの日も特印。正式名称は特殊通信日付印(とくしゅつうしんにっぷいん)。
絵入りハト印…使用期間は発行日のみの1日間。「ハト印」の名前通り印面にハトのマークが入ることが特徴。記念行事の存在しない特殊切手(『○○シリーズ』など)の発行と同時に使われる。グリーティング切手、年賀切手も絵入りハト印。正式名称は初日用通信日付印(しょにちようつうしんにっぷいん …注釈)。
*SNS等では「絵入りハト印」を「特印」と記載している方が多いですが、以上から分かるようにこれは郵趣的には誤りです。会話には支障ありませんが、手紙を出す上では区別して覚えた方が便利です(使用期間が違うので)。
*同様に、一般の人々が「シリーズ切手」や「グリーティング切手」を「記念切手」と呼ぶのも厳密には誤りです(これらは何かを記念して発行された切手ではないので)。現在の日本郵政ではこれらを(記念切手も含め)全部まとめて「特殊切手」と呼んでいるようです。
現在は特印も絵入りハト印も、1つのイベント毎に「手押し」と「押印機」の2種類が使われています。
先ほどの消印はいずれも手押し。↓こちらは押印機です。文通好きの人達が「機械印」と呼んで珍重しているのは、この「押印機による絵入りの消印」のことです。

*左)2015年「ふみの日」(押印機) 右)2015年「夏のグリーティング」(押印機)
押印機による消印はとても繊細で美しいのですが、その台数が少ないため、使える局はごく限られています。通常は札幌中央、仙台中央、横浜中央、東京中央、日本橋、長野中央、名古屋中央、大阪中央、岡山中央、福岡中央の10局。また、押印機は使用期間も(特印か絵入りハト印かに関わらず)発行日の1日間のみです。
これに対し手押しの使用期間は先に書いた通り、特印が7日間、絵入りハト印が1日間です。また、手押しは押印機よりも配備局が多く、通常は各都道府県庁所在地の中央郵便局などで押印できます。さらに特印は絵入りハト印よりも配備局が多く、松本・浜松・倉敷といった大きめの集配局などにも配備されます。これらの消印が毎回配備される局は決まっており、「定例局」と呼ばれます(「定例局」で検索するとリストを見ることができます)。
↓例題。この4つのうち1つは押印期間が7日間ありましたが、他の3つは1日間のみの押印でした。7日間あったのはどれ?

正解は右下のキリン(特印の手押し)。他は発行日のみの消印です(左2つは絵入りハト印、右上は特印の押印機)。
これらの消印も海外宛の郵便に使用できます。要領は風景印と同じです。(切手に絵入り消印を押印+付近の切手にかからない位置に欧文印を押印)

*海外宛のポストカードを年賀切手の絵入りハト印で差し出した例
特印も絵入りハト印も、局に直接出向いて押印する方法と郵頼する方法、どちらでも入手できます。
郵頼のしかたは新切手発行情報から各切手のページに進み、「郵趣のための押印サービス」というリンクから確認してください。申し込みの締切は発行日の約2週間前です。

実際に特印を郵頼した際の記事です。手順など参考までに。
・特印・絵入りハト印を郵頼する
直接出向いて押印する際は、消印が配備されている局の郵便窓口で「◯◯切手の特印(ハト印)を押印したい」と言えばOKです。手押しのみの局は風景印と同じように窓口で押印してもらえます。
押印機のある局での対応は局によってさまざまです。押印機を窓口内に設置して手押し同様に窓口で対応したり(例:大阪中央)、ロビーに押印機用のスペースを設けたり(例:仙台中央)、局内の別室に押印会場を作ったり(例:横浜中央)。いずれも手順は窓口で聞けば教えてもらえます。
例外的に、東京中央と名古屋中央は押印会場が全く違う局にあるので注意してください。東京中央の押印会場は東京中央局ではなく京橋局です。名古屋中央の押印会場も、名古屋中央局ではなく名古屋柳橋局。初回は間違えてもリカバーできるよう、時間に余裕を持って行動しましょう。
(手押しのみで良ければ東京中央や名古屋中央でも押印できます。押印機は押印会場でないと使えないので注意。)
ところで、これら切手発行日の消印を封筒に押印して作った記念品を郵趣用語でFDC(First Day Cover/初日カバー)と言います。白い横型封筒(カバー)の左に切手の図案に合わせたイラスト(カシェ)を描き、右に切手と初日の消印、というのが一般的な形式です。郵趣関係の業者が制作・販売している他、自分で絵を描くなどしてFDCを作るのが趣味という個人も存在します。
↓業者によるオーソドックスなFDC。

*1994年「ふみの日」のFDC
↓絵入り消印2つのFDC。左は特印、右は小型印です。

*「世界人形劇フェスティバル」のFDC
自作する場合、封筒は自分で調達して構いません。白封筒に絵を描いたり市販の絵封筒を利用したり。業者がカシェ入りの白封筒を販売している場合もあります(京橋の押印会場に午前中に行くと、会場内の売店で買うことができます)。
↓ムーミンショップで見つけたフィンランドのFDC用封筒を日本のムーミン切手のFDCに利用したカバー。発行日にフィンランド郵政がKITTEで記念押印サービスを行っていたので一緒に押印しました。(右下の黒い消印)

*グリーティング「ムーミン」のFDC
以上はすべて記念押印のみのカバーですが、もちろんこういったものを郵送することもあります。実際に郵送(逓送)されたカバーを「実逓(じってい)カバー」と区別して呼んだりもします。

*「グリーティング(ライフ・花)」のFDC(実逓)
「初日カバー」「First Day Cover」で画像検索すると、国内外のいろいろなカバーを見ることができます。
また、FDCと同様のコンセプトで、封筒ではなくポストカードで作られたものをマキシマムカード(MC)と呼びます。MCはカードと切手と消印の絵柄が「同一面にあり、かつ完全に一致(または関連がとても強い)」というのが基本です。

*左)1994年「ふみの日」のMC 右)「日本の歌シリーズ第7集」のMC
↑このように、昔は切手発行時にMC用のカードが公式に作られていたのですが、最近はあまり作られていません(なので日本ではMCはあまり盛り上がりません)。作ればいいのに。
著名な作品を使用した切手や、動植物などよくある題材の切手では、市販のカードを利用してMC(風のカード)を作りやすいです。

*左)グリーティング「ピーターラビット」のMC(市販のポストカードを使用)
右)「野菜とくだものシリーズ第3集」の絵入りハト印+市販の苺大福ポストカード
切手の発行日以外にも、MCを作るチャンスが時々あります。
↓これは郵政博物館で蕗谷虹児展が行われた際に作ったMCです(素材は全部現地で入手できました)。

*蕗谷虹児「花嫁」のポストカード+ふるさと切手+小型印
風景印で作るMCというのもあります。
神保町で作れる本のMC。カードは局向かいの便利堂で販売されています。

神田北神保町(東京)…お茶の水小学校(旧・錦華小学校)で学んだ夏目漱石の「我輩は猫である」石碑、本
広島城のMC。このカードは平和記念公園の折り鶴を再利用したもので、他にも原爆ドーム、尾道、鞆の浦、宮島がセットになって売られていました。→詳細

広島基町(広島)…広島城、中央公園、親水河川ほりかわ
↓この2つは料金値上げに伴って同じものは作れなくなりましたが、個人的に気に入っているので参考までに。

以上、長くなりましたが、何かの参考になれば幸いです。
………………………………………………………………
*注釈
「絵入り」ハト印という言葉から推測できると思うんですが、「絵入りではないハト印」というのも存在します。要するに黒活のハト印のことで、和文ハト印・欧文ハト印・機械ハト印の3種類があります。和文ハト・欧文ハト・機械ハト・絵入りハトの総称が「初日用通信日付印(しょにちようつうしんにっぷいん:通称ハト印)」です。

*上段:和文ハト印(左)と欧文ハト印(右) 下段:機械ハト印
黒活のハト印は、いずれも切手やハガキの発行日の午前中のみに使われます(これに対し、絵入りハト印は19時まで押印可能です)。特殊切手の発行時に特印や絵入りハト印と一緒に使われるほか、ふるさと切手のように絵入り消印の出ないケースで黒活のハト印のみが使われる、というパターンもあります。
通常、1ヶ所の局において2種類の黒活ハト印(「和文ハト+欧文ハト」か「和文ハト+機械ハト」の組み合わせ)が使われます。→戻る
初版:2014年3月15日
2版:2015年8月15日
3版:2016年12月16日
4版:2017年8月24日
風景印以外の絵入り消印は大きく分けて3種類あり、少しずつ仕様が異なります。それぞれ
・小型印
・特印
・絵入りハト印
という名前がついています。いずれもインクは風景印と同じ鳶色です。
■小型印
風景印よりひと回り小さい直径32mmの消印で、地域色の強いイベントなどの際に期間限定で使われます。正式名称は小型記念通信日付印(こがたきねんつうしんにっぷいん)です。

↓風景印との違いです。どちらも盛岡北局で同じ日に押印された消印で、同じ「チャグチャグ馬コ」を題材にしていますが、小型印は風景印より小さい上にイベント名が入っているところがポイントです。

*左)盛岡北局の風景印 右)盛岡北局で使われた「滝沢市誕生記念」小型印
小型印の使用期間は1日間〜数ヶ月程度と、イベントによって幅があります。まれに、風景印のごとく長期にわたって同じ場所に設置されるケースもあります(「宝塚レビュー出張所」「はこだてサンタ定期出張所」など)。
いつどこでどんな小型印が使われるかは日本郵便のページで調べてください。ほとんどは郵頼可能です。
・小型印 - 日本郵便
USJで2014年夏から行われている「ふくろう便」の小型印のように、現地差し出し以外不可のケースもあります。
こちらはUSJのハリーポッターエリアにある「ふくろうポスト」から手紙を出すとふくろうの小型印が押印される、というサービスです。この消印は担当である新大阪局へ直接頼んでも押印してもらえません。あくまでUSJ来園者向けのサービスです。

↓ちなみに、ディズニーランドやシーのポストから手紙を出すとパークのスタッフさんが余白にオリジナルのスタンプを押してくれるのですが、このスタンプは日本郵便とは無関係です。まとめサイトでよくこのスタンプを「風景印」として紹介していますが、風景印でもなければ小型印でもありません。そもそも消印ではありませんので混同しないよう注意してください。(ここまで読んで混同する方はさすがにいないと思いますが)
ディズニーから出した手紙には浦安局の消印(黒活)が押印されます。このカードは差し出しが11月6日(ダッフィーのスタンプに11.6の日付がついている)、消印は翌7日の午後でした。

■特印と絵入りハト印
どちらも直径36mmの消印で、特殊切手の発行の際に短期間(7日間または1日間)使われ、見た目はよく似ています。どちらが使われるかは発行される切手の種類によって決まります。

*左)2015年「ふみの日」の特印 右)2015年「夏のグリーティング」の絵入りハト印
特印…使用期間は発行日を含め7日間。主に記念切手(何らかの行事を記念して発行される切手。『○○周年』など)の発行と同時に使われる。国際文通週間、切手趣味週間、ふみの日も特印。正式名称は特殊通信日付印(とくしゅつうしんにっぷいん)。
絵入りハト印…使用期間は発行日のみの1日間。「ハト印」の名前通り印面にハトのマークが入ることが特徴。記念行事の存在しない特殊切手(『○○シリーズ』など)の発行と同時に使われる。グリーティング切手、年賀切手も絵入りハト印。正式名称は初日用通信日付印(しょにちようつうしんにっぷいん …注釈)。
*SNS等では「絵入りハト印」を「特印」と記載している方が多いですが、以上から分かるようにこれは郵趣的には誤りです。会話には支障ありませんが、手紙を出す上では区別して覚えた方が便利です(使用期間が違うので)。
*同様に、一般の人々が「シリーズ切手」や「グリーティング切手」を「記念切手」と呼ぶのも厳密には誤りです(これらは何かを記念して発行された切手ではないので)。現在の日本郵政ではこれらを(記念切手も含め)全部まとめて「特殊切手」と呼んでいるようです。
現在は特印も絵入りハト印も、1つのイベント毎に「手押し」と「押印機」の2種類が使われています。
先ほどの消印はいずれも手押し。↓こちらは押印機です。文通好きの人達が「機械印」と呼んで珍重しているのは、この「押印機による絵入りの消印」のことです。

*左)2015年「ふみの日」(押印機) 右)2015年「夏のグリーティング」(押印機)
押印機による消印はとても繊細で美しいのですが、その台数が少ないため、使える局はごく限られています。通常は札幌中央、仙台中央、横浜中央、東京中央、日本橋、長野中央、名古屋中央、大阪中央、岡山中央、福岡中央の10局。また、押印機は使用期間も(特印か絵入りハト印かに関わらず)発行日の1日間のみです。
これに対し手押しの使用期間は先に書いた通り、特印が7日間、絵入りハト印が1日間です。また、手押しは押印機よりも配備局が多く、通常は各都道府県庁所在地の中央郵便局などで押印できます。さらに特印は絵入りハト印よりも配備局が多く、松本・浜松・倉敷といった大きめの集配局などにも配備されます。これらの消印が毎回配備される局は決まっており、「定例局」と呼ばれます(「定例局」で検索するとリストを見ることができます)。
↓例題。この4つのうち1つは押印期間が7日間ありましたが、他の3つは1日間のみの押印でした。7日間あったのはどれ?

正解は右下のキリン(特印の手押し)。他は発行日のみの消印です(左2つは絵入りハト印、右上は特印の押印機)。
これらの消印も海外宛の郵便に使用できます。要領は風景印と同じです。(切手に絵入り消印を押印+付近の切手にかからない位置に欧文印を押印)

*海外宛のポストカードを年賀切手の絵入りハト印で差し出した例
特印も絵入りハト印も、局に直接出向いて押印する方法と郵頼する方法、どちらでも入手できます。
郵頼のしかたは新切手発行情報から各切手のページに進み、「郵趣のための押印サービス」というリンクから確認してください。申し込みの締切は発行日の約2週間前です。

実際に特印を郵頼した際の記事です。手順など参考までに。
・特印・絵入りハト印を郵頼する
直接出向いて押印する際は、消印が配備されている局の郵便窓口で「◯◯切手の特印(ハト印)を押印したい」と言えばOKです。手押しのみの局は風景印と同じように窓口で押印してもらえます。
押印機のある局での対応は局によってさまざまです。押印機を窓口内に設置して手押し同様に窓口で対応したり(例:大阪中央)、ロビーに押印機用のスペースを設けたり(例:仙台中央)、局内の別室に押印会場を作ったり(例:横浜中央)。いずれも手順は窓口で聞けば教えてもらえます。
例外的に、東京中央と名古屋中央は押印会場が全く違う局にあるので注意してください。東京中央の押印会場は東京中央局ではなく京橋局です。名古屋中央の押印会場も、名古屋中央局ではなく名古屋柳橋局。初回は間違えてもリカバーできるよう、時間に余裕を持って行動しましょう。
(手押しのみで良ければ東京中央や名古屋中央でも押印できます。押印機は押印会場でないと使えないので注意。)
ところで、これら切手発行日の消印を封筒に押印して作った記念品を郵趣用語でFDC(First Day Cover/初日カバー)と言います。白い横型封筒(カバー)の左に切手の図案に合わせたイラスト(カシェ)を描き、右に切手と初日の消印、というのが一般的な形式です。郵趣関係の業者が制作・販売している他、自分で絵を描くなどしてFDCを作るのが趣味という個人も存在します。
↓業者によるオーソドックスなFDC。

*1994年「ふみの日」のFDC
↓絵入り消印2つのFDC。左は特印、右は小型印です。

*「世界人形劇フェスティバル」のFDC
自作する場合、封筒は自分で調達して構いません。白封筒に絵を描いたり市販の絵封筒を利用したり。業者がカシェ入りの白封筒を販売している場合もあります(京橋の押印会場に午前中に行くと、会場内の売店で買うことができます)。
↓ムーミンショップで見つけたフィンランドのFDC用封筒を日本のムーミン切手のFDCに利用したカバー。発行日にフィンランド郵政がKITTEで記念押印サービスを行っていたので一緒に押印しました。(右下の黒い消印)

*グリーティング「ムーミン」のFDC
以上はすべて記念押印のみのカバーですが、もちろんこういったものを郵送することもあります。実際に郵送(逓送)されたカバーを「実逓(じってい)カバー」と区別して呼んだりもします。

*「グリーティング(ライフ・花)」のFDC(実逓)
「初日カバー」「First Day Cover」で画像検索すると、国内外のいろいろなカバーを見ることができます。
また、FDCと同様のコンセプトで、封筒ではなくポストカードで作られたものをマキシマムカード(MC)と呼びます。MCはカードと切手と消印の絵柄が「同一面にあり、かつ完全に一致(または関連がとても強い)」というのが基本です。

*左)1994年「ふみの日」のMC 右)「日本の歌シリーズ第7集」のMC
↑このように、昔は切手発行時にMC用のカードが公式に作られていたのですが、最近はあまり作られていません(なので日本ではMCはあまり盛り上がりません)。作ればいいのに。
著名な作品を使用した切手や、動植物などよくある題材の切手では、市販のカードを利用してMC(風のカード)を作りやすいです。

*左)グリーティング「ピーターラビット」のMC(市販のポストカードを使用)
右)「野菜とくだものシリーズ第3集」の絵入りハト印+市販の苺大福ポストカード
切手の発行日以外にも、MCを作るチャンスが時々あります。
↓これは郵政博物館で蕗谷虹児展が行われた際に作ったMCです(素材は全部現地で入手できました)。

*蕗谷虹児「花嫁」のポストカード+ふるさと切手+小型印
風景印で作るMCというのもあります。
神保町で作れる本のMC。カードは局向かいの便利堂で販売されています。

神田北神保町(東京)…お茶の水小学校(旧・錦華小学校)で学んだ夏目漱石の「我輩は猫である」石碑、本
広島城のMC。このカードは平和記念公園の折り鶴を再利用したもので、他にも原爆ドーム、尾道、鞆の浦、宮島がセットになって売られていました。→詳細

広島基町(広島)…広島城、中央公園、親水河川ほりかわ
↓この2つは料金値上げに伴って同じものは作れなくなりましたが、個人的に気に入っているので参考までに。


以上、長くなりましたが、何かの参考になれば幸いです。
*注釈
「絵入り」ハト印という言葉から推測できると思うんですが、「絵入りではないハト印」というのも存在します。要するに黒活のハト印のことで、和文ハト印・欧文ハト印・機械ハト印の3種類があります。和文ハト・欧文ハト・機械ハト・絵入りハトの総称が「初日用通信日付印(しょにちようつうしんにっぷいん:通称ハト印)」です。

*上段:和文ハト印(左)と欧文ハト印(右) 下段:機械ハト印
黒活のハト印は、いずれも切手やハガキの発行日の午前中のみに使われます(これに対し、絵入りハト印は19時まで押印可能です)。特殊切手の発行時に特印や絵入りハト印と一緒に使われるほか、ふるさと切手のように絵入り消印の出ないケースで黒活のハト印のみが使われる、というパターンもあります。
通常、1ヶ所の局において2種類の黒活ハト印(「和文ハト+欧文ハト」か「和文ハト+機械ハト」の組み合わせ)が使われます。→戻る
初版:2014年3月15日
2版:2015年8月15日
3版:2016年12月16日
4版:2017年8月24日
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