「風景印2014」を読んでみた

この零細感あふれるブログを読んでくださっているような方の中には、それなりに風景印への興味や知識があって、この手のカタログも所持している、そしてその掲載内容のテキトーさに疑問も感じている、という方もいらっしゃるんじゃないかと思います(ていうか、最早そういう人しか見ていないんじゃないかと思います。いつも有り難うございます)。

ということで最初にお願いなんですが、「もし記載事項の間違いに気づいたら、1つでも2つでも、出版社及び他のユーザに見える形でフィードバックしてもらえませんか」
この手のカタログがこんな残念な状態のまま数十年も放置されてきたのって、それに対する批判や要求が極端に少なかったというのが大きな原因だと思うんですよね。需要が伝わらなかったから一切改善されてこなかったっていう。
でもこの意味不明さが、いまいち裾野が広がらない原因の一つになっていると思うので、重ねてお願いします。SNSとか書評サイトとか通販のレビューとか、もちろん出版社への手紙とか、何でもいいので是非コメントを。全部読まなくても、お住まいの地域やご実家の付近だけでもいいと思います。人目につく場所に問題点が挙がらないと次につながらないと思うので。

私個人では、日本郵趣出版には今年の初めに1度手紙を出しましたが、それは完全にシカトされました。
10年前の版の時は出版社のサイトに正誤表が載ったのですが(現在そのファイルは削除されている模様ですが、個人的に保存してあります。こんな感じ。勿論直しきれてはいないですが、その姿勢そのものはとても貴重です)、今回はそういう雰囲気もなさそうです。なので、その後はブログで取り上げた局に関しては時々指摘しています。

鳴美には「風景印2012」が出た時に1度メールを出し、「次回は頑張ります」的な(テンプレ風の)返事をいただきました。
その後、意外と早く「風景印2014」が出版されたので、先日見つけて読んできました。
ざっと見た印象ですが、OCRによる誤字は予想以上に減っていたと思います。レイアウトは相変わらずキツキツですけど、文章に限って言えばだいぶ読みやすい。2012の時の、日本人が書いたとは思えないレベルのテキストから比べると随分改善しています。
ただ、どうやら解説面で日本郵趣出版の「新・風景スタンプ集」を引用転載しまくっているらしく、以前とかなり記述が変わってしまっている箇所がたくさんありました。
それによっておかしくなってしまった例をいくつか挙げていきます。

広島の忠海局。
先に「新・風景スタンプ集」が「スナメリクジラ」を「スナメリクジラ」に変更しましたが、これは間違いです。

これは元々は国天記「スナメリクジラ回遊海面」のことで、スナメリクジラ=スナメリそのものです。スナメリ+クジラではありません。
↓それを間違いごと鳴美が転載したので、新たな間違いが増えました。あーあ。


同じく広島の帝釈局。以前記事にしました
まず「新・風景スタンプ集」が永明寺を水明寺に変更しましたが、これは間違い。

それを鳴美が転載したので間違いが増えました。


鹿児島の志布志局。以前記事にしました
先に「新・風景スタンプ集」が「志布志市役所」を追加しましたが、これも間違いです。地図を見れば分かりますが、市役所はダグリ岬には存在しません。昭和24年から現在の場所(志布志駅の北西)にあるそうです。

で、それを鳴美が転載したのでやはり間違いが増えました。
細かいですが「枇」の字も、風景スタンプ集に合わせて「枇」にされちゃってますね。これも間違いです。正しくは「枇榔」です。


川内局。これも以前記事にしました
先に「新・風景スタンプ集」が「人形岩」を追加しましたが、これは間違いです。人形岩は描かれていません。
あとついでに言うと、キンモクセイが市花だったのは旧川内市の話で、現在の薩摩川内市の市花はカノコユリです。なので新しい版では単に「市花」ではなく「旧川内市花」と書くべきですね。細かい話ですが。

それを鳴美が転載。


島根の崎局。先日記事にしました
先に「新・風景スタンプ集」が「後鳥羽上皇記念碑」を「後鳥羽上皇行在所跡」に書き換えましたが、これは間違いです。行在所跡ではありません。

それを鳴美が転載。


秋田の大葛局。
これは、日本郵便の風景印ページにデータが残っています。→こちら
それによると、意匠は「竜が森を背景に天然記念物の比内鶏と温泉マークを配す」。
その中の「竜が森」を、何故か「新・風景スタンプ集」が「達子森」に書き換えてしまいましたが、これは間違いです。達子森は形が違いますし、距離的にも離れ過ぎています。
大館市のサイト内の竜ヶ森について書かれたページを見ると、最後の方に「竜ヶ森登山で汗をかいたら温泉にも入って行ってね!」と大葛の温泉施設がプッシュされています。風景印にも温泉マークがありますし、竜ヶ森と大葛温泉の組み合わせで間違いないと思います。

でも、それを鳴美が転載。しなくていいのに。


宮城の枝野局。
先に「新・風景スタンプ集」が「高蔵寺」を追加しましたが、これは間違いです。昔郵政省が作った「風景入通信日付印集」には「称念寺」と書かれています。ついでに言うと、高蔵寺の阿弥陀如来は国重文であって県有文ではないです(称念寺の阿弥陀如来は県有文です)。描かれている形を見ても、高蔵寺ではなく称念寺のものと思われます。

で、それを鳴美が転載。2012のデータは「風景入通信日付印集」のまんまで正しかったのですが、2014では間違った情報になってしまいました。


(いくらウソ情報とは言え、そこそこ(ウソ故に)オリジナリティの認められるテキストをここまで流用しまくって著作権的には問題にならないのか。逆に気になります)

これらの例から分かるように、以前は「新・風景スタンプ集」では間違っていても鳴美では正しいことが書かれているケースがそこそこあったのですが、それが間違った方向に統一されてしまい、ますますカオスな状況になってしまいました。
恐ろしいのは、これが氷山の一角に過ぎないということです。読んだら読んだだけボロボロ出てくるんだもの。やだ怖い><
もう日本郵政が公式なデータベースを作る以外に事態を収拾する術は無いと思います。早いとこ何とかしてください。

郵趣出版と鳴美、どちらのカタログを買うべきか、という点で悩まれている方もいらっしゃるかもしれませんが、以上から分かるように、正直中身はそんなに差がなくなりました。なので、フォーマット(分冊か1冊か、レイアウトや図版の大きさなど)面で使いやすい方を選択していいんじゃないでしょうか。どっちにしても解説は怪しい(というかウソだらけ)、ということを念頭に読んでいただけたら嬉しいです。

★追記(20160902)- - - - - - - - - - - - - -
この記事の続きを書きました。→「風景印2016」も読んできた
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